先日の授業
先日の中国語の授業は、健康状態やお家の都合で欠席者が数名いらっしゃいましたが、
出席の受講者の方の「今日も楽しかった」という声を聞いてうれしく思いました。

授業で、お盆の由来について書かれた約100字くらいの中国語の文章を用意して、スライドを映すと
「ええ、長いね~」という受講者のつぶやき・・・
そして文章を指しながら解説をし、内容をわかってもらうように日本語ではこういう意味ですと、やはり指しながら訳しました。
中国語を日本語に訳すと構造上どうしても後ろの部分を前にもってくることがあります。
するとある方が「私、学生の頃、漢文が好きでした。レ点や返り点の読み方みたいですね」とおっしゃるのです。
そこで私のアドバイス:
「日本語に訳す時は単語やフレーズが前後することがあります。
でも、翻訳のためではなく、中国語を読んで理解しようとする時、レ点などを付けて訳しながら読むなどバックして戻るということはせずに、
頭から順番に読み下していってください。
中国語を読むときにどうしても日本語に訳してから理解する方がいますが、それでは一工程増えて手間、負担です。
その文章を読む目的はその内容が分かることです。すばらしい翻訳文を作ることではありません。自分で意味が分かればいいのです。
直接、そのまま順に読み下すという癖をつけると、訳出するという負担が減って、長文を読むのもしんどくなくなりますよ」とアドバイスしました。
「分かりました。中国ドラマが好きで、中国語の字幕付きで見ています。そのやり方で見てみます」と笑顔の受講者
授業終わって一枚パチリ、お疲れ様でした。

おいしい桃
この季節、おいしい果物数々ありますが、中でも「桃」はトップ中のトップ。

古来中国では、桃の木を仙木(せんぼく)、果実を仙果と呼び、魔よけや不老不死の力があると考えられていたそうです。
その名残で、中国では誕生日に長寿を願って桃をかたどった饅頭を食べる風習があります。
桃には美肌効果もあるようです。
桃中富含天然的收敛成分,可以增加肌肤的弹性,防止皱纹的产生,此外桃子中富含果胶,有助于人体排毒,防止因毒素累积而长斑。
日本語訳:
桃には、お肌の弾力性を高め、シワを予防する天然の収れん成分が豊富に含まれているほか、ペクチンも豊富で、デトックス効果や毒素の蓄積によるシミを予防する効果もあります。
やはり桃を食べると、お肌ピッチピーチになるようですね~~~。
先日、作りました和菓子は「落雁」と言います。

これは、中国の「軟落甘(なんらくかん)」というお菓子が、日本に伝来し「落甘」と略して呼ばれるようになったと言われています。
《朱氏舜水谈绮》(1708)里记载:“落雁”取音自中国明代的一种小吃“软落甘”,借谐音改成了“落雁”。
日本語訳:
『朱氏舜水気綺記』(1708年)に、「落雁」という名称は、中国明代のお菓子「軟落甘」を和音化して「落雁」としたものであると記されています。
中国語で「落雁」というと思い浮かぶのが“沉鱼落雁,闭月羞花”。
これは、「非常に美しい女性、女性の美貌が並外れていること」の形容で、
女性があまりにも美しいので、
魚は水底に沈んでしまい、飛んでいる雁も落ちてくるほど。美しい月もこれはかなわないと隠れてしまい、きれいな花もはじらうほど。
どれだけ美人やね~~~ん!とツッコミを入れたくなります。
お菓子もそれだけ「美しく」作れたらいいなと思います。
なお、「落雁」という言葉は、秋の季語でもあり、今はもうこよみではまさしく「立秋」。
朝夕は少し涼しく、なんとなく秋のはじまりを感じます。
仏事等の供物として用いられることも多い和菓子の『落雁』
このことから、落雁は和菓子の中でも高級なものとされています。
先日、父に教えてもらいながら初めて作ってみました。
作ったのはこの三色。

下の写真のこの木型は40年前くらいにあつらえで作ったそうです。
今はこのような木型が作れる職人さんが非常に少ないので、木型を壊さないように細心の注意を払うように何度もいわれました。

木型から出したところ。私がやったので~~す。↓

父は和菓子作り一筋約60年の職人でしたが、高齢のため仕事としての菓子作りは5年前にやめました。
私は中国語の通訳、翻訳、ガイドをずっとやってきて、家業を継ぐということはなく、父を手伝うことはあっても、自ら菓子を作るということはありませんでした。
今年に入ってから父が腰椎を2か所骨折し、母も大腸ポリープで、体調がすぐれない両親の世話をするため実家に帰ることが多くなりました。
「迷惑かけてすまんな、ワシは菓子しか作れへんのや」と痛そうにしょんぼりして言う父を見て
「骨が引っ付いてよくなったら、菓子作りを私に教えて」と言うと、パッとにわかに顔色がよくなり
「わかった」と嬉しそうに笑うのです。
それから約7か月が経って骨も順調に固ってきて、主治医から背骨を固定しているコルセットを家の中では外してもいいと言われ、少し痛みも和らいできた父は、
「菓子、なにを作ってみる?」と聞いてくるほどになりました。
「ええ?大丈夫?まだ痛いんちゃうの?ムリしたらあかんで」と私。
そして、父に教えてもらいながらの和菓子作りに挑戦することになったのです。
すると自分でも思いのほか上手くできて、
職人気質で普段何事にもあまり褒めない父が「初めてにしては上手い」と言うのです。
やはり実際には作ったことはなくても、小さいころからずっと父の作る姿を見ていたので、「門前の小僧習わぬ経を読む」ではないですが、ある程度できるのでしょう。
私は、「京菓子の技術継承」など全く考えたことがありませんでした。
「うちの菓子屋は父で終わり、残念ながらその技術を継ぐ人はいません」と思っていました。
しかしながら今回こうして教えてもらいながら改めて和菓子にふれると「作る楽しさ」を感じ、
また「菓子作りにも学問がある」ことに気づき、
更に中国から伝わってきた菓子が日本ではどのような変遷をたどってきたかなどを調べてみたりしていると
「和菓子作り」にとても興味が湧いてきました。
そして何より、もうお葬式会場を探そうかと思ったほど弱り切っていた父が、
私に菓子作りを教えることで少しでも、張り合いを感じて元気になってくれることがとてもうれしいのです。
今夜は五山送り火
今日8月16日は「五山送り火」が行われます。
新型コロナの影響で2年連続で規模が縮小されていましたが、今年は例年通り開催されるそうす。
「五山送り火」は、お盆に迎えた先祖たちの霊を送る伝統行事で、
今夜8時から火が灯され、幻想的な炎が京都の夜空を照らします。
昼間はこんな感じ。↓↓
小学校の遠足で左大文字山に登りました。

五山送り火の由来はいろいろあるそうですが、そのひとつがこれ↓↓
五山の送り火は、当時世間に蔓延していた疫病を退散させるために、弘法大師が山に「大」の字の形をしたかがり火を灯したが始まりです。
五山送火是弘法大师为了退散当时在世间流传的疫病,在山上点燃“大”字形形状的篝火开始。
解説:
篝火[gōuhuǒ] 、 は「かがり火.たき火」の意味です。
例文:
熊熊xióngxióng的篝火/あかあかと燃えるかがり火.
(「熊」は、動物を表す「クマ」とは関係なく、擬音語としての「xiong」で、「熊」はここでは「燃え盛る炎」という意味で使われています。)
今夜、久しぶりに全部に点灯されますが、どうかこのコロナという疫病が早く収まるようお山を眺めながら祈り、ご先祖たちの霊を送りたいと思います。