【春節文化×中国語】第1回:大晦日に眠らない「守歳(守岁 Shǒusuì)」は、家族を守る知恵だった
春节快乐!
春節は中国や台湾・香港などで祝われる最も盛大で、文化的な意味合いが最も豊かな伝統的な祝日です。
しかし厳密に言えば、春節は大晦日と元日だけを指すのではなく、旧暦12月23日または24日の「祭灶(かまどの神を祀る行事)」から始まり、正月15日の元宵節まで続く、ひとまとまりの「節期」を指しています。
春節(春节 Chūnjié)と聞くと、「赤い飾り」「爆竹」「餃子」「紅包(お年玉)」…そんな賑やかな絵が浮かびますよね。
けれど、大晦日の夜に行われる守歳(守岁 Shǒusuì)も一大イベントです(2026年は2月16日の夜)。
「え、ただの夜更かし?」と思った方へ。実はこの習慣、古い時代の生活の知恵がぎゅっと詰まっています。
今回は春節5回シリーズの第1回として、その面白さを一緒に味わいましょう。

守歳(守岁 Shǒusuì)とは?—「歳を守る」夜
守歳(守岁)は、春節の大晦日(除夕 chúxī)に眠らずに夜を明かし、新年を迎える習慣です。
家族が集まり、食べて話して、時にはテレビ(春晩)を見ながら、年が変わる瞬間を一緒に待ちます。
日本のお正月にも“年越し感”はありますが、中国の守歳はより「家族行事」として濃いのが特徴です。
なぜ眠らない?古人の知恵①:家族団欒を“強制的に”つくる仕組み
昔の中国では、遠くに出稼ぎに行った家族が帰ってくるのは簡単ではありません。
だからこそ春節は「何があっても帰る」季節。
守歳は、その再会の時間を最大化する装置でした。夜更かしすることで、自然と会話が生まれ、世代をまたぐ交流が起きます。
ここで覚えておきたい中国語がこれ。
家族団欒:团圆(tuányuán)
春節を語ると必ず出てくるキーワードです。「離れていた家族が“丸く”そろう」ニュアンスが強い。
古人の知恵②:子時(zǐshí)=新旧が入れ替わる“境目”を見届ける
中国の伝統的な時刻の考え方では、子時(zǐshí:23時〜1時)が一つの大きな節目です。
年が切り替わる瞬間を意識して迎えるのは、農耕社会において「季節」「運」「生命」を整える行為でもありました。
守歳は「不眠イベント」じゃない。「つながりの儀式」
守歳(守岁 Shǒusuì)は、春節の大晦日に眠らずに過ごす習慣。
でもその中身は、家族がそろい、区切りを感じ、次の一年へ気持ちを整えるための、よくできた文化装置です。
面白いのは、テクノロジーが変わっても守歳は形を変えて続くこと。
昔は炉や灯り、今はスマホやオンライン通話で「团圆(tuányuán)」を作る。文化って、意外としなやかですよね。
次回(第2回)は、春節と切っても切れない 紅包(hóngbāo)/压岁钱(yāsuìqián) の「なぜ赤い?なぜお金?」を解説します。